仮面

7/13
前へ
/500ページ
次へ
バキンッ だが赤髪の彼は全く 取り乱しもせずに 地面に落ちていた鉄パイプを 真っ二つに折り、両手に持つ。 「でもな…遅すぎだ。」 ズガ!!! ズガ!!! ズガ!!! ぐるりと一回転を行って 両手に持った鉄パイプを 巧みに三人に当てて怯ませる。 「ゲームセットだぜ。」 そう言って三人の敵の顔面を 勢いよく殴って仮面を砕いた。 訪れる静寂。 (た…助かった…) ボクは安心しきって 肩を撫で下ろす。 しかし予想だにしない 出来事が発生する。 ビュン!!!! なんと赤髪の彼がボクに向かい 勢いよく突っ込んできたのだ。 (な…なんで!?) 呆然として何も出来ない ボクに彼は思い切りタックル… した訳ではなく ボクを両手で抱えて そのまま真横に飛んだ! 次の瞬間…… ガッシャアアアアアン!!!!! さっきまでボクが居た場所に 大量の鉄骨が降り注いだ。 そう…彼はボクを 襲った訳ではなく ボクに降り注ぐであろう 鉄柱から守ってくれたのだ。 何はともあれ全てが終わった今 助けてくれた彼にお礼を 言うのが道理だ。
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

171人が本棚に入れています
本棚に追加