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必死に叫んでみるも、声は出なかった。
ただ、私の心なのか、脳内なのか、自身の叫ぶ声が響いていた。
この時、何故か目だけは動かせた。
何も出来ずに横になっているだけの私。
混乱からは直ぐに脱出した。
そこで、私は気づいてしまった。
何者かの気配を―――
見なければ良かったものの、気になって見てしまった。
私のお腹の隣に、私よりも幼い、女の子の生首があった。
黒髪で、大きな目をしていた。
その子は、瞬きもせず私を見ていた。
目が合った瞬間に混乱した。
何が何だか分からず、泣き叫んだ。
自身の中に響く、叫び声。
すると、今まで全く動かせなかった体が動いた。
勢いよく起き上がると、女が寝ている部屋へ走った。
そして、女を起こし、先程の事を泣きながら話した。
女は分かってくれたのか、その日は一緒に寝ることを許してくれた。
抱きつくことは許されなかったが。
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