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「……頼むからそんなに大声を出さないでくれ……。いくら早朝で客がいないとは言え、これから“仕事”の話だぞ。その上俺は昨夜全く寝てないんだ、頭に響く。……ところでロイ、お前もしかして走って来たのか?」
ロイと呼ばれたガタイの良い男は、ジェイクの質問に答える前にウェイトレスを呼んで「トリプルチーズバーガーとコーラゼロ!」とオーダーしていた。
「……お前……朝からよくそんな重たい物が食えるな……。毎度の事ながら呆れるを通り越して頭が下がるよ」
「そう言うジェイクこそ珈琲手付かずじゃねーか。相変わらず猫舌かよ、情けねーなぁ。俺は自分ちからココまで走って来たから腹ペコなんだよ!」
それを聞いてジェイクは頭を抱えたくなった。
それなりに長い付き合いだからロイの事はわかってはいるつもりだが、彼の自宅はクィーンズ。
マンハッタンの北部に当たる。
セントラルパークは文字通り真ん中あたりに位置している。
その距離をこの時間からジョギングなんて……。
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