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「はあーーー。てっちゃん、マジでいいよねぇ。ほんっとカッコイイ」
「そうかな。先生だし、……おじさんじゃない」
「いやいや、24歳だよ!ちょうどいいじゃん!!」
何がちょうどいいのか、万優架はうんうん、と自分のセリフに頷いた。
「大人だし、優しいし。萌が興味示さないのが、ほんとに不思議なんだけど。
あの腕に包まれて甘えたーい、とか、思わないかなあ普通」
――甘えたい、か……。
わたしは先生から受け取ったクリアファイルを見つめた。
時々、ふと感じることがある。
みんなが見ている先生と、わたしの目に映っている先生は、少し違っているような気がする。
どこが、と言われると、うまく言えないけど……。
ちょっとだるそうな仕草とか、誉めてくれた時の笑顔とか。
基本的には無愛想で口も悪いのに、時々ちらっと見せる優しさとか……。
そういう、みんなが好きだと思ってるところも全部、好きだけど。
――初めて先生を見た時から、ずっと感じていた事がある。
なぜだろう。なんとなく……。
わたしは時々、先生のこと、――包み込んで慰めてあげたくなる。
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