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「萌ちゃん、今日は本当にありがとうね。……わざわざ届けてもらったのに、あの子……」
万優架のお母さんはやや丸い顔に片手を添え、本当に申し訳なさそうに言った。
「挨拶もせずに……ごめんなさい」
「いえ、いいんです。わたしにはちゃんと、メールくれてますから。
今は、そっとしておいてあげたいんです」
わたしは出来るだけ明るい声でそう言った。
「ノートは毎日つけてますから、少しまとまったらまた近々、届けに来ます。
よろしく伝えてください」
わたしがぺこりとお辞儀すると、先輩も隣で一緒に頭を下げた。
「ありがとうね。萌ちゃんがいてくれて本当に助かるわ、ありがとう」
お母さんは涙ぐみ、何度も何度もお礼を言っていた。
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