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「常駐はしてない分、こういう、問題が起きたときに力を発揮しないとね。
一応、そういう契約だから」
問題…。契約…。
なんだか、万優架の事をバカにされたような気がして、わたしは制服のスカートの裾をきゅっと握りしめた。
「ところで…。あなたたち。…もしかして、つき合ってるの?」
「えっ…」
フジコ先生の探るような目に、板東先輩が慌てて首を横に振る。
「いや、…まだ…そういうんじゃなくて…」
「まだ?」
「いや…その…」
先生は薄く笑顔を浮かべると、ふうん、とわたしと先輩を見比べた。
わたしの中の黒い渦が、一気に吹きあがるのを感じた。
それは、全てを巻きこんで、竜巻のようにねじれ、私の口から飛び出した。
「つき合ってます。先輩と、わたし」
「えええっ!!!」
驚きの声を上げたのは、先輩だった。
フジコ先生は、それでも薄く笑った表情を崩さない。
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