俺が知っている君

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その場所から遠くなった俺達は走る事をやめた 「んあっ…はぁはぁ」 まだ汗がダラダラ出てくる 息が荒くなった俺達は地面に座り込んだ 「ふぇ…うぅ……ありがどうございまじだ…」 泣きながらぐしゃぐしゃな顔で 息が乱れている女の子が俺と君にお礼を言った 「大丈夫?」 俺は女の子の頭を撫でて泣き崩れている女の子にちり紙を渡した 「はい…シクシク」 女の子はちり紙を使い涙と鼻水を拭いた 「橋本は大丈夫?」 一度も喋った事のない君に俺は問いかけてみた 「あぁ…」 強がる君は男の俺から見ても とても格好良かった だけど口から血が出ていて顔に アザが出来ている君の顔を見ていると、とても痛々しい 「お前は?」 君は俺にも気を使ってくれる 「俺は全然大丈夫!」 君の顔見て汗だらけの顔で笑顔を見せてみる 「ありがとうな」 そっぽを向きながら君は俺に小さい声でお礼を言ってくる 「え?」 ビックリして反応に困った 「だからありがとうって…俺の事助けてくれただろ?」 だって俺が知っている君は 一人が好きでうるさい人は嫌い 人と接するのが苦手でそれでもって無口だけど困った人は助ける 君はちゃんとお礼も言うんだ… 新しい君の顔 俺はなんだか嬉しくなった 「気にしないでくれ!俺もああゆう奴が大嫌いだしよ!」 「そうか」 君の顔が笑った 初めてみた君の顔 ドクン…ドクン…ドクン… 俺は君に「可愛い」だなんて言いそうになってしまう まだ鳴り止まない心臓は俺の言葉まで狂わしそうだ
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