21人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫ですか? しっかりしてください」
「おぉ、どうもな」
最後の敵を切り捨てた後、ジルは俺に手を差し延べてきた。俺はその手を取りありがたく起こさせてもらった。
「ザックスも先輩なら後輩を助ける位の余裕を持ってください」
非常に痛い。特にその哀れむような目が。
「…悪い。でもお前ぐらいの腕前なら十分一人でもやっていけるんじゃないのか? 何であんな無理に…」
「私は憧れのアンジールさんの下で動きたかった。でもあなたはまるでコバンザメのように離れなかった。だから仕方なく我慢した。それだけの事です。」
そうだったのかと納得出来る内容じゃない。これは怒ってもいいのだろうか。
そう迷っていると、
「二人とも何やってる、早く進め!」
アンジールがヘリから降りてきた。久しぶりに怒っている。俺らは慌てて先頭車両に向かって走り出した。
前方から襲う弾丸を払いつつ、助走をつける。敵兵が後退し、ロケット砲を抱えた兵が二人前に出て来た。それを見たジルも速度を上げる。
ロケット弾が発射されるのと俺らが飛び上がるのはほぼ同時だった。
爆発音を背に受けながらあっという間に敵の背後に回る。油断していた敵を倒すのは造作もなかった。
その後も俺らは進撃し、遂に列車内のウータイ兵の殲滅に成功した。
最初のコメントを投稿しよう!