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序章
―・・・ぽちゃん。
―・・・ぽちゃん。
すぐ近く。
でも、少し遠く。
方向感覚など、もう存在しない。
"これは、夢"
なのだと。
そして、真実でもあるのだと。
私は知っているのだから。
今の私が此処から出る事は出来ない。
なぜなら。
それが、私の罪だからである。
―刻の巫女―
総てを、あの人に投げつけて。
逃げようとしてしまった、私の罪。
だが、その罪を私は払う事は出来ない。
君は、私の変わりに罪を背負い、死んでしまった。
次第に目の前が白くなっていく。
次に目覚めるのは、何週間先の時間なのか。
それとも、何ヶ月?
・・・いや、もっとかもしれない。
夢の中ほど、曖昧で。
計り知れないものは、ない。
それは、仕方のないこと。
これが、私の報いなのだ。
・・・そうだろう?
ユリアーナ。
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