4章

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「学校生活じゃよくあることだろうって、最初はスルーするつもりでいた。けど、学校や私の親がそれを許さなかった」 「――?」  今まであまり聞いたことのない話に、つい首を傾げてしまった。そんな私の反応が分かったようで、桃子は続ける。 「学校側は、いずれ有名な学校へ進学するだろう私の名前に傷がつくのを感じて、私にカンニングの疑いをかけた人達を生徒指導の名目で攻撃しはじめたのよ。わざと成績落としたりとか、停学にしてしまったりとか」  あまり現実味を帯びない話に、私はただ絶句するしかなかった。学校側が生徒を弾圧するなど聞いたことがなかったのだ。しかも1人の優等生を守るためだけに 「私の親も酷かったわ。その生徒たちの親の職を奪ったり、後で知ったことだと、詐欺師をけしかけて財産を吸い出したりとかしたらしいわ」 「そ、それで?」 「そのことを知った私は、先生にも親にも言ったの。こんなことはおかしいから、やめてって。そしたらなんて言ったと思う?」  私はサッパリ分からなかったので、素直に頭を横に振った。それを見た桃子は、吐き捨てるように声を出した。 「何で?あなたのように頭の良い子が、頭の悪い子に傷つけられることがおかしいのに」  
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