4章

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「フローラちゃんはちょっと実感湧かないだろうけど、私この言葉で分かっちゃったの。  私の親も学校の先生たちも、子供を成績とか頭のよさの数字でしか見てないんだ。って」  今までの、無表情にも近い顔や口調で話していた桃子はここにはいない。ここにいるのは、この世の悲しい現実を目の当たりにした1人の女子高生だった。 「前々から、そうなんじゃないかなって思ってたんだ。けど、もうそれでスイッチ入っちゃって。私は人として見られてないって思うようになったの」 「あの、それで……その後どうしたんだ?」 「私が泣きながら被害に遭ったクラスメートに頭下げたら、本人たちは許してくれた。けど仕事を辞めさせられてしまった親御さんは、そういうわけにいかない……。何回かウチの窓ガラスが割られたりしたこともあったわ。  高校はこの辺の適当な進学校に入って、わざと答案間違えて提出してたりとかしたの。でも結局周りの目が怖くって、青い翼に入り浸るようになったの」  
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