5章

2/43
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/165ページ
♂♂♂ 『ヒマワリ隊の車両を発見』 「あれか。本当に分かりづらいな」  市街地での、新型を含めた青い翼のC.Aとの交戦から5時間。そしてここに到着するまでの不期遭遇戦が2、3回。陽が暮れる頃には操縦桿を握るおれの手は軽く痺れ始め、頭の中もモヤモヤとして眠たくなってきた。  ちょっと前から繋がった通信を頼りに装甲車を探すのも手間取ってしまった。 『スバルさん、そこで停止して方向転換して下さい』 「あぁ」  桃子の指示に従ってキャスリムを動かし、装甲車に収容をしていくんだが……。どうにも機体の動きが鈍い。何発か当たったせいで、吹っ飛ばなくても足に被害が及んでいるんだろうか。 『そこで大丈夫です。そのまま足を後ろに持っていって、荷台のロックに足を合わせて下さい』 「よし分かった。バックモニターを出してくれ」 『了解』  画面中央にウインドウが開き、後ろの状況がやっと把握できた。 「よし。片足を持ち上げて、後ろに……」  ペダルをゆっくりと踏んで、同じく操縦桿をゆっくり後ろへ引く。 『いい感じです。そこで降ろして下さい』 「うん」  ちょっとずつペダルから力を抜き、足をロックに落ち着かせる。 『OKです。反対側もお願いします』 「そっか、反対側もあるのか。うぅ……早く寝たい」  
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!