5章

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「それだけ、レジスタンスの開発したC.Aの性能とパイロットの操縦スキルが高かったということだろう。  さて、そろそろ移動を開始するぞ」  ノートパソコンを閉じて指示を出すと、2人ともテキパキと準備を始めた。  私も準備に取り掛かるが、どうしても気になってしまうことがあった。  これほどまでに青い翼の猛攻が続いているというのに、政府から国民に対する声明が上がらないことだ。  これは内乱と呼ぶにふさわしい武力蜂起だというのに、その時その時自衛隊を出動させるのみ。大掛かりな対応策を打ち出す気配はまったく報道されず、コンサートの中止や被災地での犯罪行為について報道されるばかりだ。  戦後最も政治をしない政府、か。確かにその通りかもしれんな。 「宇梶さん、やはりデザ3機を輸送するのは目立ちます。せめて1機くらいは置いていきましょう」 「何を言う狭川、寧ろこの辺りに置いていく方が危険だ。青い翼に我らの足取りを掴まれるわけにはいかん」 「それもそうっスけど、レジスタンスと合流しようにも戦力がなきゃダメっスからね」  これから栃木と埼玉を突っ切らなければならんのに、大丈夫だろうか……。  
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