序章

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「とりあえず、その輸送車だか何だかがどうしてこんな所に?」  なるべく真剣な、且つ無邪気な子供の素朴な質問のように尋ねる。 「儂らの活動に必要となる物を運んできたんじゃ」 「活動?」 「何じゃ知らんのか?今インターネットで騒がれておる『青い翼』を」  凄いベラベラ話してくれたんですけど……。  まぁとにかく、青い翼っていう名前だけは知ってる。たしか若者を中心に超ウケてるっていう、大型SNSサイトの名前だ。  そのサイトがどうしたってんだ、このじさまは。 「名前は聞いたことがあります」 「そりゃそうだろうな。 で、そのサイトには裏サイトと呼ばれる掲示板があるんじゃ。  そこである種のカキコミをした一部のユーザーは、サイトからアカウント登録をされて裏々サイトと呼ばれるPCサイトへアクセスできるようになる」 p  ネットの世界に対応しまくってんな、このじさま。  にしても、この話スゲー気になる。 「そのサイトは日本国内のPCからのみアクセスでき、そのサイトには掲示板が1つしかない。そんで――」 「げぇっ!爺さん、何他人にベラベラ話してんだよっ!」  相槌を打ちながら熱心に爺さんの話を聞いていたら、段ボールとビニールシートで出来た仮家屋から高校生くらいの男の子が出て来た。  
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