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「あなたは?」
「小夜といいます。ここでは皆様の生活のお手伝いをしているただのメイドです」
「そう…。じゃあ小夜ちゃん………邪魔しないで!!」
綾は再びバットを振り上げると青沼の頭に狙いを定めた。
「させません」
小夜は右足の鞘からナイフを抜き取り、綾に向かって容赦なく投げた。
「ちぃっ」
綾は仕方無くバットでナイフを弾いた。
「だったら先にあなたを殺してから、誰にも邪魔されずに隼人を殺してあげる!!」
綾はバットを振り上げながら小夜に近付くとためらいも無く振り下ろした。
「………」
小夜は何も言わずに身を捻ってそれをかわした。
「動かないで下さい」
「え!?」
小夜は一瞬で綾に詰め寄るとナイフを首筋に当てた。後はどちらかに動かすだけで血の噴水が出来上がる。
「………」
綾はバットを離した。同時に小夜もナイフを首から離した。
「本庄様。私が勝ちましたのでお願いを聞いてはもらえませんか?」
「……どんな?」
「もう一度、皆様とお話合いをして下さい」
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