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ある放課後のことだった。
家に帰るとうるさいばあやがいるので私はいつも学校に残って一人勉強をしていた。
(それもばあやがうるさいせいだったが・・・。)
この日なんとなく体が熱っぽく、火照っていたのでトイレに行った。
月に一度のあれだろうか・・・。
私はまだ一度も経験したことがなかった。
血・・・。出てるのかな?下着を脱ごうとしたその時、視界に赤い糸のようなものが映った。
えっ糸?細くて柔らかい・・・。何?頭から・・・。
何だかいつもより足が遠くに見える。しかもあしが筋肉質に筋張り、いつもよりずっと逞しく、太い。
何・・・?これ・・・。
私は急いで個室を出て鏡をみた。
赤い細くてしなやかな髪をした澄んだ青い海のような目をしている青年が鏡を覗き込んでいた。
なんとなく私に似ているが、ずっと美しい。
吸い込まれそうな瞳。
薄くきれいな形の唇。
すっと通った鼻筋。
透き通るような白いはだ。
美しいのにたくましい。そう、凛々しいという感じなのだ。
これには男があまり好きでない私も見惚れた。
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