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「大きくなったわね。」
優しい声色。
.....
普通の家庭とは違うと理解するのに、長い時間が掛かったけれど、母さんの息子に生れた事には感謝してる。
優しい母さん。
ほどけば足元まである長い黒髪。
何時までも若い容姿。
....
ここまでは良いとして、
有り得ない身体能力や(今の跳躍は俺が脅かしたから仕方ないとして)
...
勝手に人のココロを読む事は止めて欲しいけどね。母さん?
ほほ笑みを浮かべた母さんが言い放った答えは。
「桃ちゃんが立派な大人になったと私が納得したなら、ココロは読まないわ」
「“桃ちゃん”も止めてくれる?」
「それは、イ~ヤ。」
ふーん。
仕方ないか。
どうしたって母親はそんなもんなんだって、不二丸(フジマル)が言ってたっけ。
「犬飼くんは元気にしてる?」
「多分。元気だよ。」
“恋煩い”の薬があれば尚元気になるかな。
「あらぁー…」
しまった!
うっかり考えちゃってた。
母さんの満足気な顔。
「あんなハンサムくんを悩ますのはどこの可愛子ちゃんかしらね?」
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