その日、男はおにゃの子になった・・・

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時刻は午後7時、すでにテーブルの上には皿が並べられている。 鍋の中には美味しそうなカレーが出来上がっている。あとは盛りつけるだけだ。 だが、彼女はまだ、 何かを作っていた。 それは、やや小さめの鍋の中で煮込まれている。 それが何かは分からないがどう、見ても人体に害があることは分かる。 なぜかって? 煮込まれている液体が、沸騰しているわけでもないのに、コポコポと泡立ち、ドロリとしている。 (色は、紫に近いピンク) もう、これだけでも十分口にしてはいけない要素が揃っているが、何よりも彼女が持っている本がアウトだった。 それは、けっして料理本なんて物ではなく、いわゆる、黒魔術が記されているような、ところどころが風化している本だった。 そう、その光景はまるで魔女がなにかアヤシイ薬でも作っているみたいだった。 そんなことを考えている間に、 ???「完成・・した・・?」 彼女は液体を混ぜるのを止めて言った。 どう見ても失敗作である。彼女は燃えないゴミでも作っていたのだろうか? ???「お義兄ちゃんそんな所に隠れてないでご飯にしよう♪」 俺(義兄)「・・なあ、宙、今日の夕飯は、カレー・・だよな?」 宙(ソラ)「うん、そうだよ。」 良かった、あれを食卓に出す気はないようだ・・・
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