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「では野球、サッカー、バレーボールの代表選手は決まりました。あとはバスケットボールだけですが……」
学級委員の男子が教室の窓際の席に視線を向ける。
このクラスでまだ球技大会の出場競技が決まっていないのは男子5名、女子5名。
普通に考えればこの残った者達が代表選手となる。
しかし、この残った者の中には……
一人の女子が手を挙げる。
この女子は立ち上がり、
「サッカーの代表になってる小岩君と赤木君がバスケットボールも出たら良いと思いまーす」
小岩と赤木はスポーツ万能でイケメン。
クラスの女子全員の憧れの的。
(小岩)
「えっ、俺ら?」
小岩が座ったまま爽やかに笑い隣の席の赤木と顔を見合わせる。
この成り行きを教壇の横に置いた椅子に座り黙って見ていた女性が立ち上がり口を開く。
「ちょっと!!それじゃあ球技大会に出れない人が出るじゃないの!!」
この女性は大島真里とゆう。教師になって4年目27歳。ショートカットが似合う独身女教師だ。
先程から立ち上がっている女子生徒は窓際の席に蔑むような視線を向けて、
「石原と山田は球技大会に出なくてもいいと思いまーす」
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