第四話~孤狼の哀歌(塚原一平編)

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 龍聖がタバコをくわえると、一番手前の手下がライターを出し龍聖の口元に火を差し出した。  龍聖は深く息を吸い込み、濃い煙を吐き出した。 (龍聖) 「で、どうや?俺の下で働く気になったか?」  塚原は鋭い刃のような形状の眼で龍聖を睨みつけた。 (塚原) 「質問に答えろや。マンションに火をつけたんはお前か?」  龍聖は顔を横に向けて「ククク」と笑った。 (龍聖) 「塚原君。そんな小さい事にこだわって……事態が、もひとつわかってないみたいやな」  塚原の眉毛がピクリと動く。 (塚原) 「なに、小さい事やと」  龍聖は塚原を見た。 (龍聖) 「俺の下で働くか働かへんか、それはつまり、生きていたいのか死にたいのかって俺はさっきから聞いとんねや」  言った後、龍聖の茶色い瞳に狂気の光が宿る。  塚原はコンクリートが剥き出しの天井を仰ぎ見た。一瞬、相田と三浦の顔が頭によぎる。  二人の顔を頭から掻き消し、塚原は深く息を吸い込んだ。 (塚原) 「おぁぁぁぁぁーー!!!!」  獣の咆哮の如く雄叫びと共に一気に息を吐き出す。そして、真っ直ぐ龍聖に突進していった。
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