第四話~孤狼の哀歌(塚原一平編)

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「兄貴ぃぃ!塚原兄貴ぃーー!!」  入り口から聴こえる壁に共鳴する大声。龍聖達が入り口方向を見た。  頬をナイフで切られ、血を流す塚原が呟く。 (塚原) 「まさか……まさか……」  入り口に視線をやった龍聖が嬉しそうな笑顔を浮かべた。 (龍聖) 「おぉ!君は確か、夢見る好青年、三浦君やないかぁ」  入り口付近に現れた三浦は手に角材を持ち、荒く呼吸しながら龍聖達をじっと見据えた。  ボロボロになって押さえられている塚原に三浦は気づいた。 (三浦) 「兄貴ぃ!」  龍聖がパイプ椅子から立ち上がる。 (龍聖) 「なんやなんや。物騒な物持って」  龍聖が三浦に近づいていく。その距離が五メートル程になったところで、三浦は角材を龍聖につき出した。  龍聖はおどけるように両手を開き、口笛を吹いた。 (三浦) 「……塚原兄貴を……連れて帰る……」  三浦は声を震わせながら龍聖を見据えた。  塚原は必死に体をよじり、あらんかぎり大きな声で叫んだ。 (塚原) 「三浦やめろ!!お前には関係ない!!帰れ!!」  龍聖が耳をほじりながら下を向いた。
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