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(龍聖)
「塚原君を連れて帰る?なるほどなるほど」
龍聖は納得したように二度三度頷いた。
(龍聖)
「とゆう事は、俺を殺してでも塚原君を連れて帰るくらいの覚悟はあると解釈してもええわけやな?」
龍聖の表情はまるで、幼子のように無邪気だった。その無邪気さが三浦の恐怖心を煽る。
角材を構える三浦の手が震えて、角材の先が揺れた。
三浦は恐怖心を振り払うように激しくかぶりを振った。
(三浦)
「お前を殺してでも塚原兄貴を連れて帰る!!」
(塚原)
「三浦やめろぉぉぉ!!」
無理をして恐怖心を押し殺す三浦と必死に叫ぶ塚原を龍聖は実に心地よさそうに眺めた。
(龍聖)
「よし!じゃあ三浦君。やってみよう!その角材で俺の頭をバチーんと」
龍聖は言って、角材に頭を向ける。
(龍聖)
「見事に俺を殺す事ができたら塚原君を連れて帰ってええよ」
三浦の呼吸がどんどん荒くなる。龍聖は「ホレ、ホレ」と言いながら自分の頭を叩く。
(塚原)
「龍聖やめろ!!三浦に手ぇ出すなぁーー!!」
三浦は「うわぁぁぁ」と叫びながら、角材を振りかぶり、龍聖の頭に叩き落とした。
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