第四話~孤狼の哀歌(塚原一平編)

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 角材を振り下ろした格好で三浦は硬直した。  龍聖は酔っぱらいのようによろめく。「とっ、とっ、とっと」と声を出しながら、やがて静止して、三浦の方へ顔を向けた。額から鼻にかけて二股に血が流れている。  龍聖は自らの額を触り掌に着いた血を暫し眺めた後、 (龍聖) 「あかんなぁ。あかんあかん。全然あかん!!」  言いながら龍聖は三浦との距離を詰めていく。 (塚原) 「三浦逃げぇぇ!」  塚原が叫ぶも三浦は動けない。手に持つ角材は鉛でも入っているかのように重かった。  龍聖が角材に手をかけた。 (龍聖) 「さっきの一撃迷いがあったなぁ。三浦君。人を殺る時は迷たらあかん。何にも考えんと思いきりやるねん」  龍聖が三浦の手から角材を奪った。 (龍聖) 「こんな風に」  龍聖が角材を三浦の頭に振り下ろした。「バキィーー!!」という衝撃音が響く。 (塚原) 「三浦ぁぁぁぁぁ!!!!」  壁に塚原の叫びが共鳴する中、三浦は頭から落ちるように床に倒れた。  床に倒れた三浦を一瞥した後、龍聖は踵を返し、歩き始めた。  一歩動いた後、龍聖の足が止まる。
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