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(三浦)
「うぎぃぁぅぁぁーー!!」
言葉にならない悲鳴が三浦の口から飛び出す。塚原が堪らず叫んだ。
(塚原)
「もうやめてくれや!!俺を殺ってそれで終わりにしてくれ!!頼む」
龍聖は無表情で一つの単純作業をやるかのように三浦の砕けた頬骨を掴み続けた。
(龍聖)
「夢、希望、未來。そんなもん、この頬骨と一緒や。ここで全部粉々にしたる」
龍聖の瞳はゾッとするほど冷たいものになっていた。
(龍聖)
「三浦君。君は塚原君をお笑いの世界に誘っとるらしいなぁ」
龍聖は三浦の前髪と頬骨を掴んだまま塚原の方に三浦の顔を向けた。
(龍聖)
「塚原君も俺と同じや。日陰の人間は一生日陰。太陽の下に引っ張り出そうとする事自体がそもそも間違うとるのや」
龍聖は言って、頬骨にかかる指をバイブレーションのように震わせた。
(三浦)
「ふぅぅぉぉゎぁぁ!!!!」
三浦の顔が変形していく。血の涙が三浦の目から溢れた。
その時、塚原の右腕を押さえていた男が横を向いた。「ウプッ」とエヅイた後、激しく嘔吐した。
塚原を押さえつける力が一瞬弱まる。塚原はこの隙を見逃さなかった。
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