第四話~孤狼の哀歌(塚原一平編)

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 谷山は龍聖の顔を覗きこんで言った。 (谷山) 「ええか。よぉ聴け。世の中にはなぁ。お前の物差しだけでは計られへん事もあるんや」  谷山は言葉を一度切って周囲を見渡した。 (谷山) 「なんぼ組長が納得しても……ワシはガキ共に土足で庭荒らされるんは我慢できん!!龍聖、お前跳ねすぎたのぉ」  龍聖は血と汗にまみれた顔で谷山を睨みつけた。  谷山は立ち上がり、塚原と目が合った。 (谷山) 「兄ちゃん。お前も龍聖の仲間か?」  塚原は首を横に振った。そして、床に気絶している三浦を指差して、 (塚原) 「あいつも違う。あいつは俺の連れや」  谷山は「そうかい」と言って頷いた。そして自分の組員達に視線を向けた。 (谷山) 「龍聖の仲間全員さらえ」  谷山の指示で一斉に組員達が動き出す。いくら荒くれ者ばかりの龍聖軍団とはいえ、倍以上人数がいる「プロ集団」には敵わない。  次々と引きずられて連れていかれる。  大柄な組員に引きずられる龍聖が生気のない目で塚原を見た。  その様はまるでマネキン人形が運ばれているようだった。
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