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店の引き戸がまた開く。立っているのは目に涙を溜めた男、相田だ。
塚原は舌打ちをした。相田は声を震わせて言った。
(相田)
「一平が真面目に……うぅぅ……一平が」
(塚原)
「うるさいんじゃオッサン!!毎回店に来る度に泣くな!!何回目やねん!!」
(李)
「こら塚原!!お客様になんて言葉いうか!!」
李の怒声で塚原は黙りこんだ。
午後3時、一旦夜まで閉店となり、塚原達は休憩となる。
店の2階で塚原と三浦はテレビを見ながら賄い食のラーメンをすすっていた。
テレビの中でニュースキャスターが神妙な面持ちでニュースを読んでいる。
(えー、続いてのニュースです。昨夜未明に和歌山県の山林で発見された白骨死体は検死の結果、神戸市在住の神田龍聖さん23歳と判明しました)
三浦の口から麺が吹き出す。塚原もテレビを凝視した。
(和歌山県警と兵庫県警は殺人遺体遺棄事件の捜査本部を設け)
「龍聖……」と塚原は呟きながら複雑な思いが込み上げた。
そんな塚原の気持ちを察したように三浦が明るい声を出す。
(三浦)
「なぁ兄貴。今週末paceこしもとでプットロールタワーの単独ライブあるねんけど、行くやろ?」
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