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もう一人は彫りが深い顔で中々の男前。
(塚原)
「お前ら同じクラスの……」
パルーズの二人だった。二人は怯えた様子で塚原を見ている。そしてモジモジした態度だ。
(塚原)
「お前ら俺に何の用や?」
塚原が言うと、井本が田辺の腰辺りを手で叩いた。
(井本)
「ほら、清正言えってや」
(田辺)
「いやでも、ほらあの……」
田辺は塚原を見た。塚原の鋭い眼光に田辺は慌てて目を逸らした。
田辺の隣で井本が頭を抱える。
(井本)
「かぁー、もう!全然あかんやん。そんなんやからお前はビビリー清正とか言われんねん」
(田辺)
「ビビリー清正って云うなぁ!!あー、もう!言うわ!言うたらええんやろ!!」
田辺が塚原を真っ直ぐ見た。
(田辺)
「塚原君。俺ら二人と……俺ら二人と……俺ら二人と組んでトリオになってくれへんやろか!?」
田辺はまるで一世一代の告白をするかのように言った。
「トリオ?」と塚原が訊ねた。田辺は深く頭を下げる。
(田辺)
「塚原君の力が俺らには必要やねん!!頼むわマジで!!」
(塚原)
「……それを言うためにわざわざ尾行したんか?」
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