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(野口)
「もういいって言ってんだろうがぁーー!!こっちは朝まで店出てて眠いんだよぉーー!!今夜も指名が入ってんだからさっさと帰って眠りたいんだよぉーー!」
野口の怒号が面接会場に響き渡る。
佐藤は両手を前に突き出し宇宙人がビームを出す時の格好のままで固まる。
野口は3年前から大阪ミナミのホストクラブで働いている。
オシャレ、整った顔立ち、軽快な話術で現在彼は店でナンバー3の売れっ子ホストになっていた。
ズカズカと面接会場を後にする野口。
野口が去った後、センターマイク前で一人になってしまった佐藤。
(佐藤)
「……いやぁ…野口君は宇宙に帰りましたけど…しかし秋ですよねぇ…えー…秋と言えば…えー…」
(面接官)
「もう辞めてくれるか…時間の無駄や」
この状況でもまだ粘り強くネタを成立させようとする佐藤に面接官の冷たい声が突き刺さる。
「クスクスクス」
他の面接希望者から失笑が漏れる。
もうこれで最後にしようと決めていた5回目のKGSの面接。
一生分のエネルギーを注ぎ込むつもりで臨んだ今日の面接試験。
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