届かない手

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「っ・・・・」 様々な感情が入り交じる。 「でも、生きてる」 今までずっと黙っていたハルが突然、言葉を発する。 「生きて、今、俺たちの目の前にいる。リーシャの心が封印されてるなら解けばいい、解けないなら解く方法を探せばいい」 ハルはまっすぐとリーシャの事を見ていた。その表情は凛としていて、微塵も不安など抱いていなにようだった。 「大丈夫、リーシャは生きてる」 ハルのその一言。閉め切られら真っ暗な部屋の扉が開かれそこから優しい光と風が入り込んでくるようなにその場にいたみんなの心に響いた。 「そうね・・・」 震えていたレイの体から力を抜ける。レイを抑えていたティアはそっとレイの体を離した。するとレイはゆっくりとリーシャの方に歩き出し、手を差し出した。 「リーシャ・・・」 あんたの手に触れたい。あんたに触れてあんたの存在を確認したい。そう言いたげなレイの右手。 リーシャはそんなレイの手をじっと見つめるが不思議そうに見るだけで握り返そうとはしない。そんな様子を見て少し辛くなりティアは2人から目線を外し窓を見た。 「日が・・・」 窓から見える空は恐ろしいほど真っ赤で、その濃さがもう日が暮れることを物語っていた。フォン様にその事を伝えようと振り返った時 ドーーーンッ!!!!!
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