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鳳炎「その方法…聞かせてもらえませんか?」
可能性があるなら賭けてみたいのか、鳳炎は永琳に尋ねる
永琳「蓬莱の薬…これを服用してもらう事で、貴方を完治させる事ができるわ」
ポケットから小さな小瓶を取り出して鳳炎にそれを見せながら言う
鳳炎「…副作用はなんですか?
『良薬、口に苦し』って言いますし、生命維持ギリギリの患者を完治させるんでしたら、それ相応の副作用があるんじゃないですか?」
永琳「あら、よくわかったわね
この薬を飲んだら…不老不死になるのよ」
瓶を揺らしながら答える
鳳炎「…もしそれを服用しなかったら、俺はあとどれだけ生きてられそうですか?
俺の予想だと…持って一週間だと思うんですが」
自分の容態を考えながら予測を踏まえて話しかける
どうやら体がボロボロなのはもうどうしようもないと悟ったらしい
永琳「そうね…
確かに貴方の言うとおり、この薬を服用しなかった場合は持って一週間ね
でも…人間である貴方が不老不死者になるのは…」
医者として…人間を不老不死にするのは気が引けるのか、どこか渋い顔をしている
鳳炎「…永琳さん、その薬…服用させてください」
永琳「それがどういう意味を指してるのかわかってるの?
外来人である貴方で言えば、友達の死を永遠に見ていくことになるのよ?」
鳳炎「…友達なんていませんよ
もう皆…俺の事なんて忘れてるでしょうし…」
視線を天井に移し、どこか悲しみを秘めた目をする鳳炎
永琳「…患者である貴方のプライベートを聞く気はないわ
でもこれだけ聞かせてもらうわ
『永遠の命を受け入れる覚悟』が貴方にある?
ないなら無理は言わない…安楽死をオススメするわ」
ポケットからもう一つの小瓶を取り出す
永琳の言葉から察するに、おそらく中身は劇薬なのだろう
鳳炎「俺は目的があってこの幻想郷に来ました…
その目的を達成できるためなら、不老不死にだってなりますよ」
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