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先生は大変がっかりした顔をしたが、
「そうか……正幸、お前もったいないな。前は俺はお前の担任だったから言えなかったけどな、お前は学年で知能指数が一番高くて138もあるんだぞ。俺たちなんかよりずっと頭が良くて、頑張れば東大だって入れるんだぞ。今からだって遅くないんだから、勉強頑張れよ。」
と言ってくれた。
私は本当に嬉しかったが、当時私は猛烈に遊びたい盛りでもあり、勉強で一番になるよりも、不良で一番になりたかったので、先生の言葉を真面目に聞かず、笑って受け流してしまったのである。
そして、そんな事を言われて妙にくすぐったいような気持ちになった私は、
「先生、この前さ、体育館のマット燃えてなかった?あれ俺がやったんだ。」
と言った。
私は昔からこのように、自分が悪さをすると、自分から敢えて告白してしまう性質を持っているのである。
先生は、
「やっぱりお前らか……。そうだと思った。お前らあれ、大事になるとこだったんだぞ。警察に届けるかって話になったんだけど、消火しようとした形跡があるし、誰か子供たちがやったんだろうという事になって警察には届けなかったんだ。お前ら二度とやるなよ。」
と言って、この事件は不問にしてくれた。
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