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舞台の上は粉だらけで、搗きたての餅に片栗粉をまぶしたようになった私たちは、消火器の粉があまり積もっていない、マットから離れた位置に腰を下ろした。
(なんでマット燃えてたの…?)
火が消えてひとまず安心はしたが、得心のいかない私は銀次に問い掛けた。
「やっと消えたな……。でもさぁ、なんでマット燃えてたのかなぁ………お前、煙草の火をちゃんと消した?」
「うん。消したよ。マットで…………。」
「?……………お前か~!原因はお前じゃねえか!煙草の火をマットで消せばマットが燃えるに決まってんじゃねえか!何考えてんだよっ!」
「…ごめん……」
「ごめんで済めば警察も消防車も要らねえんだよっ!……普通、マットで消さねえぞ、煙草の火をっ!」
マットで煙草を消した事を非難する前に、体育館に忍び込んだりしないのが普通である。
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