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駄菓子屋と蛇
私の通っていた小学校の横に、ひので屋という駄菓子屋があった。
私は小学5・6年生当時、その店のボスとして君臨した。意識的にはヤクザがテリトリーを守るのと同じ意識である。
ひので屋で一番売れていたジュースがチェリオだったが、それを売っている冷蔵庫の前に小さい木の椅子が置いてあり、そこが私の定位置だった。狭い店内も把握でき、外から入って来ようとする客にも睨みを利かせられる位置だったのである。
他の子供たちがチェリオを買う為には私に一言断りを入れねばならない位置であり、私がジュースの栓を抜いてやる。何故そんな役をするのかと言えば、チェリオは当たり付きだったからである。
王冠の裏に四つ葉のクローバーが印刷してあって、四つ葉の4枚のうち2枚に色がついていれば、それを2個貯めるとチェリオ1本と交換でき、4枚に色がついていれば、それ1個で1本当たりになる。
この当たりの王冠を占有する為に、頼まれもしないのに他人のジュースを開けるのである。
駄菓子屋といえば、くじである。私はくじを当てるのが得意だった。くじ運が良いとか悪いとか、そういう事ではない。くじには宝船とか製菓会社のマークとかが印刷されていて、その印刷ずれなどの特徴から当たりくじを見つけるのである。
私はそういう事には研究熱心だった。
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