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「お前に頼まれていた資料だ。物好きになったものだな」
「ふふっ。まあね。この世界全てを手に入れる為に必要不可欠だから」
微笑しながら語るその姿はまだ年端も行かない青年のそれだ。だが、実際の相手は30代半ばで貴族に似た貞操の男だ。
「昔からの付き合いだから教えてやったが……バレたらきっと殺されるな……じいやに」
「そんなお前を見てみたいものだな」
「か、からかうな、ランバート。こっちも真剣に心配しなければならないんだぞ……」
慌てふためく姿を見てランバートと呼ばれた男は楽しんでいるようだ。
「すまん、すまん。相変わらずの反応だな、イーザラ。昔に戻った感覚になるな」
「ったく……」
イーザラ――正規・裏社会のあらゆる情報を依頼されればどこにでも運ぶ情報屋として知られている。――は、まだ乾いていない髪
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