序章 始まりの鐘

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った。  匿名で依頼を行うのはたいてい要人、国のトップが多い。一般人の依頼者のほとんどは使用しないのだ。  こうして今、調査をし始めて10棟目。どうやら当たりのようだ。  一歩一歩入るたび、土と火薬の混じった臭いが舞っている。当たりだとするとどこかに隠し扉なる出入口があってもいいはずだが、見当たらない。当てが外れたか……と、呟いてその場から立ち去ろうと振り返ったその時――  ――カチャッ。  後ろで何かが開いた音がした。すかさず陰となる壁へ身を隠し、気配を殺す。  壁越しから様子を窺うと、黒いスーツ姿の男が数名と軍服姿の女が一人、武器を運び出していた。  TACライフル…SK-1ピストル…BKKアサルトにプラスチック爆弾と、かなり大
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