猫仔猫

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気にしていませんよ、と言い、姫島は私から飲み終ったマグカップを受け取るとキッチンへ片付けに行った。 少し攻撃的に言い過ぎたと心の中で反省をする。 強引だけど助けてもらったことに変わりはない。 「送ってもらうのは必要無いです。 服が乾いたら出ていくから」 気まずさを消すために自分から話を戻す。 「当分雨はやみませんよ。 それに、家出なら帰った方がいい」 姫島の言葉にドキリとした。 家に帰る? 「私18です。 未成年だけど子供じゃない。 保護義務は無いし一人でも生きていける!」 なかば叫ぶ様にして大きな声を出してしまった。 これでは何か後ろめたいことがありますと自分から言っている様なものだ。 姫島は何も言わずこちらをじっと見詰める。 後ろめたさありありの私は、視線を合わせることが出来ない。 「その……家には居れないというか、諸事情があって。 友人の家にお邪魔する予定だから」 取り繕ってみるも、不信感は拭えないだろう。 「先程僕は猫を探していました」 「えっ?」 突然の話題の転換に、私は困惑した。 それに構わず姫島は続けた。 「仕事から帰り車を停めると、駐車場に居た野良猫が驚いて走り去りました」
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