シアン[過去]-孤児院から来た人-

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「あぁ、行こうか。 では、そろそろ…」 「はい。シオン君。 寂しくなったら 私やお母さん達のことを 思い出してね? シオン君が孤児院から 出てくる頃には 私はいないかもしれないけど 忘れないでね。 出来るだけ待ってるから…。 幸せになるのよ?」 泣き笑い顔で そう言ったその人のことは あまり気にせず、 僕はお爺ちゃんを引っ張った 「うん!またね!!」 振り替えってそれだけ言うと、 すぐお爺ちゃんに顔を戻した 僕の頭の中はコジインのことで いっぱいだった 「ギルドさん、 シオン君を どうかよろしくお願いします」 その人は深く丁寧に頭を下げた 「ご心配なさらないで下さい、 レディ。 では、これで…」 お爺ちゃんも 丁寧に言葉を返した そして、お爺ちゃんは 僕の手と自分の手を繋いで 家の前に停めてあった車に 乗り込んだ
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