シアン[過去]-初めての友達-

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「それより、先生は?」 「出てこねぇな… また、寝てんのか?」 「入りますよー?」 女の子がドアを開ける 医務室の中は一面が真っ白で 病院に似た室内だった ベッドも沢山並んでいて 病院にも負けないくらいの 広い部屋だった 沢山のベッドが 並んでいる一番端に 机があって、 先生らしき人が倒れ込んでいた 「だ、大丈夫なの!?」 「あぁ」 「いつものことよね。 …先生?起きてください」 「…ぅん? ちょっと待ってね? 眼鏡、眼鏡…」 先生は声を掛けると すぐに起きて眼鏡を探し始めた だけど、その眼鏡は… 「その頭の上に乗ってる ソレはなんですか、 先生…?」 頭の上に乗っているため、 いくら机を探しても 見つかるはずがない 溜息をついたあと 女の子が言うと、やっと先生は 気付いたらしく眼鏡をかけた 先生の外見は茶髪(地毛)で 優しそうな目をした 若い男の人だった 「ありがとうローザ。 って、また君達かぃ? どうしたの」 呆れたように先生は 女の子達に向かってそう言った どうやら、この二人は よほどの割合で 医務室を使うらしい 「サイムがこの子に ぶつかっちゃって…」 「見ない顔だねぇ。 なんて名前?」 「あ、そう言えば、 自己紹介してなかったわね。 私はローザよ」 「俺はサイム!! よろしくなっ」 「僕はシオンだよ。 えっと今日初めてここに来て…」 「だから、初めて見たのか。 私は此処の医務室の先生で ロノンっていうんだ。 君みたいに可愛い女の子なら いつ来てくれても歓迎するよ? シオンちゃん」 「僕は男です!!」 (わざとではなさそうだけど…) 「わざとよ。 この先生ボケてるように見えて 私より腹黒いから」 小声でローザが言った 「え!? こんなに優しそうなのに? (それと、 自分の腹黒さにも 気付いてるんだね…)」 僕も小声で返す 「酷いなー、ローザ。 じゃあ、シオンちゃん。 怪我見せて?」 ((き、聞こえてた!?)) 僕とローザの心が1つになった
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