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「は、はい。それより、シオンちゃんって呼び方は止めてくださいって!!僕男だって言ったじゃないですかぁ!」
「そうかなぁ。この呼び方があってる気がするんだけど。あーぁ、綺麗な脚が擦りむけちゃってるよ。消毒しなきゃねー」
「あ、シオン、シオン!!」
慌てたようにサイムが僕の隣に来て小さくこういった
「ロノン先生、すげードSだから!!」
「いったああああ!!先生、ロノン先生!!痛い痛い!!染みるぅう!!」
サイムの声は僕の声と重なった
(サイム言うの遅いっ!!)
シオンの膝、つまり怪我した部位には、あり得ないくらい消毒液を含ませた脱脂綿がのせられていた
「染みるからこそ消毒が出来てるってことだよー?可愛いねーシオンちゃん。それとサイム。私がドSだって?次来たとき…ね。」
ロノンはにこっと笑ってサイムを見た
「連れてきたのは失敗だったわね、サイム」
「…あぁ。(もう怪我しねぇ!!)」
眉間にシワを寄せるローザと、次、怪我したら…と言うことで頭を抱えるサイム
そして、必死に痛みを堪えるシオンと、それを笑顔で見ているロノン
…凄く混沌とした状況だ
「ところでシオン。部屋は決めたのか?」
その空気を無視してサイムが言った
「あ!まだ、なんだ。部屋を見回るために歩いてたらサイムとぶつかって…」
「じゃあ医務室に泊まるかぃ?」
「へ?いいんですか?」
(今日中にあんな沢山の部屋見回れないし、部屋決められないだろうから泊めて貰おうかな…)
「いいよー。シオンちゃんといられるなんて夢みたいだなぁ」
「ダメよシオン。先生といたら私が心配だわ。サイム、貴方今日シオンを泊めてあげなさい」
「えぇー、ベッド1つしかないのに!」
「貴方が床で寝ればいいでしょ」
「身体痛くなるしやだよ」
「じゃあ二人で寝なさいよ」
「お、そうする!!」
(それでいいんだ!?)
「ってことで、シオンはサイムと寝るから、バイバイ。ロノン先生」
ローザが勝ち誇ったような笑みを浮かべてロノンを見る
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