シアン[過去]-親の喪失-

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「(住むところ、なんだ…) 人は一杯いる?」 沢山の人と関わってみたい 「えぇ」 「僕、寂しくならないの? もうお家帰らなくていいの?」 親が居ないあの家には もう居たくない 寂しいのは嫌だ 誰かと一緒にいたい 「うん…。 シオン君が弧児院を出るのは 大人になったときだから 此処に来ちゃ駄目よ。 寂しくても絶対来ちゃ駄目。 きっと孤児院にいれば 寂しいって感じなくなるわ」 「じゃあ、僕、弧児院行く!!」 寂しくないなら行きたい 沢山お友だちを作って 思いっきり遊びたい 「うん、いい子ね …シオン君ごめんね、 貴方を引き取るには 貴方のご両親の許可が 要るらしいの。 行方不明の段階の人なら すぐに戻ってくるかもしれない だから、許可くらい 取れるでしょって… 抗議したんだけど、 ごめんね、シオン君。 ごめんね」 女の人は泣き出してしまった 俺はそのとき 何で泣いているのか分からず、 とりあえず宥めようとした 「大丈夫だよ僕!! 泣かないで?ね?」 と、いうと更にその人は泣いた 「シオン君。 じゃあ明日行こうか? 今日はおばちゃんの家に 泊まってく?」 「うん!!」 その人は両親のように 温かい言葉をくれた そして僕は久し振りに よく寝ることができた次の朝、 その人は僕を起こして ご飯を作ってくれた 食事を食べている途中、 インターフォンが鳴った 「誰かな? シオン君食べてて? 見てくるから」
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