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ある日、村に青年が訪れた。
中央からやってきた青年は中央に追われる立場の人間で、村に世界を変える事のできる呪物の作り方を教えるかわりに保護を願った。
村の人間は魔女の判断を仰ぐ。
青年の言う呪物の危険を知っていた魔女は村から青年を追い出す事を進言した。村人達は魔女の言葉を容れて青年を村から追い出した。青年は悪態を吐きながら村を出て行った。
その次の日から。
村に奇妙な事が起こりだした。最初に、子供達が腹痛を訴えだしそのまま死んだ。
次に、若い女達が。
皆腹の痛みを訴え、痛い痛いと叫びながら世を去った。
残された者達は皆手のひらを返したように魔女を責めだした。塔には妻や子を失った男達が詰めかけ、魔女に石を投げた。
魔女は、村人に石を投げられたら事よりも、死んでいく村の子供達を見て涙を零したという。
村から子供と女がいなくなった頃、魔女の塔に青年が現れた。
青年は言う。
魔女が自分に仕える限り、村人には手を出さないと。
魔女は卑劣な青年の手段に怒り狂ったが結局村人達を救う為に青年の手を取った。
青年と共に村を出て行った魔女は、怨磋の声とともに、こう呼ばれる事になる。
曰わく、
呪われた魔女、と。
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