1:駄菓子の戯言

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「な、なっ、何いっ……!」 焦りまくりの黒須は実に新鮮であり、可愛らしくもあった。 黒須は挙動不審に眼を泳がせたり、頭をくしゃくしゃにしたりしたが、最終的には観念する。 恥ずかしいので顔を覆った手は外さない。 「……わ、悪いか……?」 「別に? 聞きたかっただけだ」 「あっそう……」 「ついでに、何処が好きなんだ?」 「っー、……ぜ、全部……」 黒須は早桜についての気持ちに嘘は吐きたくなかった。 だから、小声で本音を言った。 体調の悪さがさらに悪化しそうになるほど、顔は発火しそうな熱に侵された。
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