1:駄菓子の戯言

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黒須はそのまま日向と百合子が漸く決めた誓いの場所まで意識を保った。 結婚式ーーー日向と百合子は今年のクリスマスに誓いを交わす。 日向が18歳になって直ぐにでも……と行きたいところだが、様々な理由があり、その日になったのだ。 ある意味記念にもなり、二人は充分に納得していた。 今日はウェディングドレスなどを下見するためにやって来たのだ。 もちろん、百合子のドレスは日向の意向により世界に1つのものとなる。 つまりはオーダーメイドだ。 が、見本を見なくてはイメージ云々という話は進まない。 よって、あの世界一有名な財閥御曹司が挙式を挙げた教会へやってきた。 百合子は黒須の目から見ても物腰柔らかな大人の女性に成長した。 中身は彼女のままだが、見た目は益々母親の面影を増す。 二つの影を纏う百合子。 桜に百合ーーー好むのはなぜか薫りの強い華ばかりであった……。
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