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和也は依斗の変化を喜ぶ反面、同じだけの悲しみを感じていた。
落ち着いている間は構わないけれど、一度暴れ出せば手に負えない。
しかも、早桜は暴力に関しては人より敏感であった。
「依斗……。智之に代わってくれる?」
「……」
もう一つの人格には名前がなかった。
和也はある願いを、儚き日々を思い出し、彼に名前を付けた。
「……何か……御用でしょうか……?」
声色も、目つきも、人が代わったことは明白である。
意識的に意識を操る術をこの時から既に持ち合わせていた。
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