2:泡沫のマカロン

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智之は恐る恐る庭に降りた。足は乗り気ではない。 早桜は智之に気付くと幼い顔で微笑む。 智之はドキッ、とした。 「こんにちは」 「……こんにちは……」 智之は早桜に踏み込みたいと思う反面、依斗の想いに混乱していた。 どろっ、とした熱い塊は依斗の物で、違和感満載である。 彼女を愛する鼓動は智之のものでもあり、依斗のものでもある……。 一つ身体で二つの想いーーーややこしいけれどそれが事実だ。 智之は打ち付ける心臓を服の上からギュッと鷲掴みにした。 苦しくて、だけど、譲れないーーーそんな葛藤が渦巻いていた……。
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