5:空気の読めないフロマージュ

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春紀と通じている=日向を裏切り、情報をリークしていると言うことだ。 誰にも見破れないほどスパイの腕は優れているということになる。 日向は早目に目を摘むことにした。 「言えません。言えば彼女は行き場を失うことになる……。また……」 あまりに切なく瞳を伏せる春紀に見えない彼女への想いが透ける。 カチャリーーー 不気味な機械音が日向と百合子に向けられるほんの僅かな間に春紀は2人を守るように位置を変えた。 日向にも百合子にも春紀の動きは全くと言っても良いほど見えていなかった。 「どきなさい」 「お断りします」 春紀の背中しか見えない2人にも声が険しいことは分かる。 もう一つの女性の声に言葉を失った。 「銃を下ろしなさい、乃愛」 「私に命令しないで」 殺気を放つ乃愛に春紀は近付いた。 乃愛は春紀の心臓に向かって銃口を向けて微動だにしない。 冷たい眼が、あるのみだ。 「どきなさい、春紀……。私の物を傷付けるヤツは許さない……」 「……やめなさい。日向君と百合子様は私に何もしてないでしょう?」 「……でも、春紀が私の名前を言わなかったら、何かしてたわ……。私がこうして自ら名乗り出なければ、何もしないなんてことはなかった……。また、大事な物をっ……」 仮定の話しだが、乃愛の言う通り、もし、春紀が何も言わなければ、日向は何かしら行動を起こしただろう。 話は見えないが、彼女が裏切り者で、春紀の味方であることは一目瞭然である。 まさか、何年も騙されていたとは……。 メイド服に拳銃とはミスマッチだが、凛とした姿は確かに美しい。

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