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アンジュ「ライザー! 止めないでおくれよ。あたしはこいつを許せないんだよ。」
ザッパ「やるってのかい?アンジュ姐さん! 近接攻撃のおれと遠距離特化型のアンジュ姐さん、どちらが勝つかな?」
ライザー「止めろ。」
ビクッ!
ライザーの言葉にアンジュとザッパは体を震わせる。
ライザー「仲間内で争うんじゃない。一度しか言わんぞ。」
ライザーと呼ばれた黒衣の剣士がそう叫んだ。すると威圧感を受けたのか二人はおとなしくなった。
ライザー「酒なら後でたらふく飲ませてやる。だから急げ! 今は戦利品を早急に魔王グランデス様に届けるのだ!」
アンジュ「分かったさね。今回はかなり実入りが良かったさね。あたしは異存はないさ。」
ザッパ「おれもだな。まあ、強敵とも戦えたから満足だ。」
ライザー「闇の創世記の古代遺跡………か。彼処を私は知っていた。何故かは分からないが………。」
私には幼少時の記憶は無い。そして物心着いた時期に傭兵団ダークストームの団長のルータ・ノリアスに拾われた。しかし、団長のルータ・ノリアスも今はいない。
ライザー「アンジュ! 団長は今はどこにいるんだろうな。」
アンジュ「………団長を恨んでるのかい?」
ライザー「さあな。団長は私にダークストームを託された。それだけだよ。」
私はアンジュにそう言った。
ダークストームは百人に満たない傭兵団でそこそこは名が売れていた。そして、私は団長の残した手紙通りに魔王軍と契約を結んでいた。主な任務は古代遺跡の調査である。魔王軍の片腕で参謀の大導師ファング様と団長は昔ながらの付き合いでファングを頼れとの事だった。そして今に至る。
ライザー「まあ、この任務が終われば直属になれる可能性がある! 気を引き締めろよ!」
アンジュ「分かったさね。それにもうすぐラムサとの合流ポイントさね。」
ザッパはアンジュの言葉に反応をした。
ザッパ「ラムサの野郎か! 確か別任務でザールの街にいるんだったな。合流するのか?」
ライザー「まあな。奴は闇神官だからな。ついでに傷の回復を頼むつもりだ。回復アイテムも尽きているからな。」
今の私達は魔力が少なく、体力も半分に減っていた。闇の創世記の遺跡での激闘の為だった。その遺跡は地下五階まで存在し古代のトラップがいまだに稼働していた。私達のレベルでも苦戦を強いられたが、半死半生でどうにか最下層までたどり着いた。
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