黒衣の剣士

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最下層のフロア………そこには守護者がいた。漆黒のドラゴンである。 激闘の末、ドラゴンを倒したのだがドラゴンの死に際に私は漆黒のドラゴンに意外な事を聞いた。ドラゴンは死の間際に私の事を邪竜王と呼んだのである。そして、遺跡の封印と一匹の幼竜を託された。何故かは分からないが私はうなずいた。そして遺跡の奥に封印されていたのが私が背中に背負っている紅い大剣である。 ライザー「魔剣中の魔剣…………カオスブレードか。」 間違いなくSクラスの伝説の武器である。 アンジュ「どうしたのさ、ライザー?」 私はアンジュの視線に気付いた。 ライザー「重いのさ。この剣………カオスブレードの存在がな。」 ザッパは不意に話に割り込んできた。 ザッパ「………だが何故、あの遺跡にその剣があったんだ? 伝説の魔剣だぜ?」 ザッパの言う事も最もだった。しかし私は分かっていた。このカオスブレードはオリジナルではないと。かと言ってレプリカでも無い。恐らく、オリジナルの作られた前の試作品………プロトタイプと呼ばれる存在。それ故に意思もなければリミッターも存在しない。伝説の武具は持ち主を選ぶと言う。しかし、この剣には意思は存在しない。ただの力ある武器だ。この武器が悪人の手に渡ったらと思うとゾッとした。 カオスブレード………混沌の神カオスの名を冠する武器で強大な力と引き替えに使用者の精神を蝕むと言われている魔剣である。 ライザー「カオスブレードの事もそうだが守護者の最後の言葉…………邪竜王と言う言葉が気になる。ザッパ! 何か知らないか?」 ザッパは魔拳士であり、意外と過去の歴史に詳しい。なので聞いてみる事にした。 ザッパ「………邪竜王。それは世界の創世記に活躍した六聖魔王の一人の通り名だ。」 ライザー「!!!」 私はザッパの言葉に驚きを隠せないでいた。 邪竜王………真の名は歴史上からは消えてしまったが闇の力を司る存在としてダークファンタジアでは信仰する者が多い。また、かつての次元崩壊時に唯一生き残った闇の六聖魔王と言われている。 アンジュ「じゃあ、あの遺跡は邪竜王の縁の遺跡だったかも知れないさね。」 ライザーは附に落ちない事があった。あの遺跡の調査はファング様直々の依頼だった。そして、遺跡の存在した場所は闇の聖域と呼ばれる禁断の地である。本来は何人たりとも近付いてはいけない場所である。
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