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†正反対の仲良し†
*********
「…あれ、誰ッスか?」
17、8の少年は、口を半開きにしたまま…
驚きの声をあげた。
と、いうのも…
このタイプの人間を…
アジトで、見かけた事がなかったからだ。
その男は、ブランド物のキッチリとしたスーツに身を包んでいて…
眼鏡を少し上げながら…
先程から、机の上でパソコンをもの凄いスピードで打ち込んでいる。
「…あぁ。お前入ったばっかりだもんな…。兄貴の仲間だ。」
「…兄貴の?」
ピンとこないのは、兄貴とこの男では…
まったく違うタイプだからだ。
「…なんでも、有名なハッカーらしくてな…?
ねぐらを変える度に、挨拶に来るんだよな。…場所も教えてねーのに。」
彼等には、仕事上…一定の場所に居られない理由があった。
「…それは、すげぇっつうか…恐ぇっつうか…。」
噂の男は…
聞いていたのか、いないのか…。
此方を向くと、くすりと笑った。
居心地の悪くなった二人は、そそくさとその場を後にすると…
その男は、何事もなかったかのように…
また、パソコンに向き合うと…
作業を再開したのだった。
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