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彼は…
噂話というモノに、まったく興味を示さない。
例え、自分の噂でも。
物理的…
論理的証拠が無ければ、認めない。
認めないモノは、気にもならない…。
…噂ほど不確かなモノは、無いのだ…
と、いう事を…
彼は分かっていた。
“ギィ…”と、たてつけの悪いドアが…
耳障りな音たてて開いたため…
彼の思考は、一旦停止した。
…そこから、のっそりと…
男が顔を出す。
「ちーっす、ってか…え、何あのメール?意味分かんねぇ。」
…がに股で近寄ってきた、男を一瞥して…
彼は、またパソコンに向き直った。
「別に意味はない。記号でも、適当に打っておけば…
君が来ると、思って…。
…暗号なんか考えても、君には解けないだろ?…それとも、解こうとしたかい?」
「あぁ…お前っ!!!騙されたっ!!!はーめーられたぁぁぁ!!!」
「別に騙してなどいないよ効率的に動いた、と言ってくれる?」
絶叫する男の横で…
…彼は、すました顔でパソコンを打っている。
…そう、彼等は…
いつも、こんな感じだ。
「あ…そうだ、お前。
昼飯買ってきたけど…一緒に食う?」
「…悪いけど、此処では食べない。付き合ってもらうよ?」
「???…。」
そう言って、掲げられた…
右手には…
いつの間にか…
彼のバイクのキーが握られていた。
…これは、立派なモノ質である。
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